ご挨拶
第6回日本フットケア・足病医学会 九州・沖縄地方会 学術集会
会長
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 糖尿病・内分泌内科学
この度、第6回日本フットケア・足病医学会 九州・沖縄地方会学術集会の会長を拝命し、2025年2月8日(土)~2月9日(日)に鹿児島市の鹿児島県医師会館および鹿児島市勤労者交流センター(愛称 よかセンター)で開催させていただきます。
本学会は、様々な診療科や職種の方々が日本の足病医療を発展させるべく、糖尿病足病変や包括的高度慢性下肢虚血の足潰瘍に対して診療の工夫や研究成果を持ち寄り、情報交換する場となっています。診療者の啓発や努力にもかかわらず、足病変は末梢神経障害や末梢循環障害、動脈硬化による下肢閉塞性動脈硬化症、末期腎不全などが生じた状況で、足部の打撲や爪切りといった軽微な外傷により潰瘍化し、低栄養や血糖コントロール不良、下肢の血流障害などにより難治性になってしまい、下肢虚血や感染が悪化し下肢の大切断に至る症例もまだまだ多くみられることが現実です。
私は糖尿病を専門とする立場ですが、足病変の予防には糖尿病の予防や血糖コントロールを行なうことはもちろん、合併症の診療を担当する科との連携を内科医の立場より発信していくことが大切であると考えています。
糖尿病の重要性は生活習慣病の一つとして多くの方に理解を得られるようになってきましたが、糖尿病の合併症中でも足病変に関しては、患者さんもどこで治療を受けられるのか情報が少ないのが現状です。また、糖尿病患者が増加している現在において、患者さんの足を守り、健康寿命を延ばすためには、医師だけではなく、糖尿病治療に関わる看護師、栄養士、薬剤師、理学療法士、セラピスト、義肢装具士や医療関連企業等々、足病変に携わる方々と連携を深めて診療体制を構築することが課題であると思います。
そういった想いから今回のテーマを「フットケア維新~足を巡る連携の夜明け~」といたしました。2月8日は参加者懇親会も企画しています。この鹿児島の地で多くの皆様が集い、足病変の治療にどうかかわっていくかを考えていただき、あらたにフットケアの未来に対して医療連携を通して維新を起こしていこうではありませんか。学会翌日の2月10日はフットケアの日です。幕末に多くの志士が生まれた鹿児島の地で皆様をお待ちしております
第6回日本フットケア・足病医学会 九州・沖縄地方会 学術集会
副会長
公益社団法人鹿児島共済会 南風病院整形外科 部長
糖尿病や末期腎不全の足病変は、悪化して足を失うことがないように予防と早期発見が重要です。目の前の足病変をどう治療すればよいのか、どこに、誰に相談すればよいのか、その病態や治療に関して、自分の専門外の知識は浅くてもよいので、必要な知識をいろいろと知っていることが大事ではないかと思います。私自身は感染が悪化した糖尿病や重症下肢虚血の足壊疽の治療を長年行ってきましたが、外科系医師のみならず、内科や皮膚科、地方の診療所などの医療者の皆様に足に関して広く興味を持っていただくことが、不幸な足切断を防ぐ一歩と考えております。
九州・沖縄地方会はフットケア・足病変に関わっている方々と出会うことで、その悩みに共感したり、自分の患者様の治療の参考にしたりすることができ、自分の専門外の知識を学び、最新の情報を得るよい機会であると思います。
今回、鹿児島では、フットケア指導士講習会や市民公開講座、懇親会なども企画しています。会場は鹿児島中央駅から徒歩5分です。多くの皆様に鹿児島にお越しいただけるよう、準備を進めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
第6回日本フットケア・足病医学会 九州・沖縄地方会 学術集会
実行委員長
事務局長 鹿児島大学病院総合臨床研修センター/糖尿病・内分泌内科
この度、第6回日本フットケア・足病医学会九州・沖縄地方会学術集会事務局長を拝命しました出口尚寿と申します。開催にあたり、ひとことご挨拶申し上げます。
足病の原因は多岐にわたり、ひとりの患者さんに複数科の医師や多職種が職域横断的に取り組まなければなりません。しかしながら、実臨床における足病患者をめぐる顔の見える連携は未だ不十分ではないでしょうか。本学会のテーマは「フットケア維新〜足を巡る連携の夜明け〜」です。明治維新の起点となった薩摩の地で、様々な分野の方々が一堂に会し、地域の足病医療における顔の見える連携体制構築の機運が高まり、集学的に発展する機会となりますよう願っております。
さて、足病の基礎疾患として糖尿病が重要な疾患であることはご承知の通りです。大会長の西尾教授と私は糖尿病専門医ですが、西尾教授は動脈硬化、私は末梢神経を専門とし、副大会長の富村先生は整形外科医として長年重症肢と真摯に向き合ってこられました。本学会に参加される皆さまの多くは、最新最良の足病ケア、治療を熱心に学び実践してこられたと思いますが、足の未病とエンドポイントを専門とする3人がコラボする、一風変わった今回の鹿児島学会で、ご参加の皆さまが未病者対策と重症化予防についても今一度考える機会となれば幸いです。